嚢胞は、甲状腺の中で液体がたまってできた袋状のもので、通常は球状の形をしています。
腫瘍の一部が変化したり、出血が起きることでできた嚢胞もあります。
嚢胞の内容液は、黄色で透明なもの、暗赤色のもの、ゼリー状で粘度が高いものまでさまざまです。
甲状腺嚢胞の症状は?
基本的に症状はありませんが、大きくなると硬いしこりとして触れるようになります。
自然小さくなったり、無くなることもあります。
まれに嚢胞の中で出血を起こし、痛みを伴って急に大きくなることがありますが、数日すれば痛みは消えます。
甲状腺の「しこり」を指摘されても、悪性腫瘍というわけではありません
甲状腺嚢胞は、甲状腺の中に液体がたまってできるもので、多くは良性です。
小さな嚢胞であれば自然に小さくなったり、経過観察で問題ないことも少なくありません。
一方で、嚢胞が大きくなって首の圧迫感や違和感が出たり、嚢胞内に出血して急に腫れたり痛んだりすることもあります。
また、嚢胞の中に充実した部分がある場合には、超音波検査で詳しく確認し、必要に応じて穿刺吸引細胞診を行います。
「首にしこりがある」「甲状腺の嚢胞が大きくなってきた」「突然、首が腫れて痛くなった」などの場合には、一度甲状腺専門医による超音波検査を受けることをおすすめします。
甲状腺嚢胞の検査方法と診断方法とは
横浜甲状腺クリニックでは、甲状腺超音波検査を中心に、嚢胞の大きさや内部の状態、これまでの経過を総合的に確認し、経過観察でよいのか、穿刺による液体の吸引が必要なのか、さらに治療が必要なのかを一人ひとり判断しています。
超音波検査では、嚢胞は液体がたまって暗く見えます。
中の液体を注射器で吸引して抜いた後、残ったしこりの部分から細胞診を行うことがあります。
甲状腺嚢胞の治療方法
多くは治療の必要がなく、経過観察になります。
嚢胞が大きい場合は、中の液体を注射器で吸引して抜きます。
何回吸い出しても繰り返し大きくなる場合や嚢胞液の粘度が高く注射器で吸い出せない場合は、経皮的エタノール注入療法(PEIT)や手術を行います。
また、嚢胞の内部が壁で細かく仕切られている場合には、ラジオ波焼灼療法(RFA)が有効なこともあります。
悪性腫瘍に伴う嚢胞は手術が必要です。
実際の診療では、このようなご相談があります
- 「健康診断で甲状腺に嚢胞があると言われました」
- 「以前からある甲状腺のしこりが、最近大きくなった気がします」
- 「突然、首の前が腫れて痛くなりました」
- 「何度も水を抜いていますが、また大きくなってしまいます」
このようなご相談は、当院でもよくあります。
甲状腺嚢胞では、単に「液体が入っているから良性」と判断するのではなく、超音波検査で嚢胞の形、大きさ、壁の状態、内部の充実部分や血流などを確認することが重要です。
特に、嚢胞の中に充実した部分が認められる場合や、これまでと性状が変化している場合には、必要に応じて穿刺吸引細胞診を行い、良性の嚢胞として経過観察してよいかを確認します。
また、甲状腺嚢胞では「一度水を抜いたのに、また大きくなってきた」というケースもあります。このような場合には、単純に何度も穿刺するだけではなく、嚢胞の性状や再発の程度を確認したうえで、治療方法を検討します。
当院では、症例によっては経皮的エタノール注入療法(PEIT)も選択肢の一つとしてご案内しています。PEITは、嚢胞内の液体を吸引した後にエタノールを注入し、嚢胞が再び大きくなるのを抑える治療です。外来で行える治療ですが、すべての嚢胞が適応になるわけではありません。
「経過観察でよいのか」「水を抜いたほうがよいのか」「PEITを検討できるのか」「手術やラジオ波焼灼療法(RFA)が必要なのか」――これらを嚢胞の状態に応じて判断することが、当院の診療方針です。
この記事の監修者
横浜甲状腺クリニック
院長淡野 宏輔
内分泌・代謝内科医として診療経験を積んだ後、
甲状腺専門病院である隈病院および昭和医科大学横浜市北部病院甲状腺センターで研鑽を積み、バセドウ病や橋本病、甲状腺腫瘍など幅広い甲状腺疾患の診療に従事。
これまで培った知識と経験を生かし、甲状腺専門医として患者さま一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。
資格など
- 医学博士
- 日本甲状腺学会 専門医
- 甲状腺超音波ガイド下穿刺診断 専門医
- 日本乳腺甲状腺超音波医学会 評議員
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 難病指定医
主な経歴
- 筑波大学医学専門学群 卒業
- 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士課程修了
- 筑波大学附属病院
- 国立病院機構 災害医療センター
- 医療法人みなとみらい 浦舟金沢内科クリニック
- 医療法人神甲会 隈病院
- 医療法人みなとみらい みなとみらいクリニック 院長
- 昭和医科大学横浜市北部病院 甲状腺センター
この記事の監修者
横浜甲状腺クリニック
院長淡野 宏輔
内分泌・代謝内科医として診療経験を積んだ後、
甲状腺専門病院である隈病院および昭和医科大学横浜市北部病院甲状腺センターで研鑽を積み、バセドウ病や橋本病、甲状腺腫瘍など幅広い甲状腺疾患の診療に従事。
これまで培った知識と経験を生かし、甲状腺専門医として患者さま一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。
資格など
- 医学博士
- 日本甲状腺学会 専門医
- 甲状腺超音波ガイド下穿刺診断 専門医
- 日本乳腺甲状腺超音波医学会 評議員
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 難病指定医
主な経歴
- 筑波大学医学専門学群 卒業
- 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士課程修了
- 筑波大学附属病院
- 国立病院機構 災害医療センター
- 医療法人みなとみらい 浦舟金沢内科クリニック
- 医療法人神甲会 隈病院
- 医療法人みなとみらい みなとみらいクリニック 院長
- 昭和医科大学横浜市北部病院 甲状腺センター







